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インタビュー

第二回 地域の新しい移動のしくみ イベント開催レポート

一般社団法人新しいひろばが主催する、地域の交通課題をテーマとしたイベントが開催されました。本イベントでは、地域の持続可能な未来を目指す取り組みが多方面から紹介され、参加者同士の意見交換が行われました。本記事ではそのイベントの様子をご紹介します。

イベント概要

地域の新しい移動の仕組み

日時: 2024年12月20日
会場: 兵庫県豊岡市稽古堂3階
主催: 新しいひろば

本イベントは、地方の交通課題に挑む登壇者たちの活動を共有し、参加者と共に意見を交換する場として開催されました。イベントは、下記の2部構成で行われました。

  1. 登壇者による取り組みの発表
  2. クロストークおよび質疑応答

1.登壇者プロフィールと取り組み紹介

まず、登壇者の方々は、それぞれの専門分野での挑戦や、地域課題に対する具体的なアプローチを発表しました。以下、その内容を要約いたします!

1. 飯田勇太郎さん & 佐々木康之さん

テーマ: 神鍋高原のサステナブルツーリズム

飯田さんと佐々木さんは、神鍋高原の持続可能な観光を実現するための取り組みを紹介。特に、気候変動が観光業に及ぼす影響を考慮し、「神鍋高原 ゆきみらい100年宣言」を策定。2030年までに温室効果ガスの排出量を50%以上削減する目標を掲げています。また、再生可能エネルギーの導入や断熱対策、地域交通システムの改善などを通じて、地域社会全体での環境対応を推進。地域住民や子どもたちとの協働による活動事例も発表されました。

2. 西田紫乃さん

テーマ: ユニバーサルツーリズムの現状と課題

西田さんは、一般社団法人INCREWの活動を紹介。誰もが行きたい場所に行ける観光を目指し、福祉、防災、地方創生を包括的に捉えた取り組みを進めています。

例えば、夏季の海体験プログラムや豊岡演劇祭とのコラボレーション、デュアルスキー体験など、幅広い活動を通じて地域資源を活用。情報発信や移動手段の課題解決に向けた方策が議論されました。

3. 池本博則さん

テーマ: ユニークピースで創る未来

池本さんは、社会課題解決をテーマに活動するユニークピースの取り組みを紹介。一人一人の価値を高め、輝ける社会を目指しています。

具体例として、農業と交通を掛け合わせた事業モデルや、埼玉県深谷市での実証実験を挙げ、物流と農業を効率的に結びつけた新しい仕組みを提案。また、著書『あなたの価値の育て方』の出版予定についても触れられました。

4. 秋山一平さん

テーマ: 豊岡福祉モビリティ

秋山さんは理学療法士であり、株式会社アンズケアの代表。高齢者の生活課題解決を目的に、「ちょいのり」や「and go」といった移動支援サービスを展開しています。

特に今年からはデジタル化を進め、共創モデルを導入することで、サービスのスケールアップと対象範囲の拡大を実現。デイサービスの送迎に移動支援を組み合わせた新しい試みは、地域住民からも高い評価を受けています。今後は子どもへの移動支援なども視野に入れ、さらなる発展を目指しています。

2.クロストークおよび質疑応答

休憩後のクロストークでは、参加者たちが交通地域課題について具体的な視点や議論を展開しました。参加者の質問に応じながら、地域の二次交通の現状やユニバーサルツーリズムの可能性、気候変動の影響を考慮したサステナブルな解決について意見を交わしました。ハード面だけでなく地域住民やサービス提供者間のソフト面での連携が重要であることや、道の駅や地域資源の活用が議論されました。交通を活用して資源を効率的に使うことで、環境に優しい仕組みを導入する取り組みなど、交通から発展した話題もあり、マネタイズの課題や、補助金に頼らず永続的に事業を展開する重要性についても深く掘り下げられました。地域の魅力を引き出し、多様な人々が活動できる環境を構築するための新しい視点やアイデアが議論される場で終わりました。

まとめ

地域の交通課題は豊岡市のみならず、日本全体で議論されているテーマです。豊岡市では、その先駆けとして様々な方面から課題解決に向けた活動が行われています。今回のクロストークは会場全体で、その現在地や今後の展望を考える機会になりました。今後も、豊岡市のみならず地方の交通課題を解決してゆくような、機会が増えることに期待したいと思います。

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